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聖ドミニコとはどんな方?

「聖ドミニコとはどんな方?」 3 シスター武田教子

決断の人

dominiko 3


    兄弟ドミニコは聖霊に祈り、全兄弟を呼び集めて、彼らはまだ少人数であるが、世界のあちこちに派遣する決心をしたこと、   だから今後もうこの場所に一緒に住むことはないことを告げた。一同は、突然、このような断言を聞いて驚いた。しかしドミニコ   の聖性からくる権威がはっきりと示されていたので、彼らは元気づけられ、この決定はきっとよい結果をもたらすに違いないと   いう希望に溢れて、割合容易にこれを受け入れた。
    これらはすべて神から来た直感で行われたのである。そのようなことはすべきでないという意見の人々がいたにもかかわら   ず、神の僕、ドミニコが右に述べたように、神の教会のあちこちに兄弟たちを散らしたとき、彼はそれを確信をもって、ためらう   こともゆらぐこともなく行ったのは驚嘆すべきことである。すべてはもう未来が確実であるかのように、あるいは聖霊が啓示に    よって教えてくださったかのように行われた。                              ―――(ジョルダン・ド・サクス)

 心の人と言われ、人々の喜びにも苦しみにも非常に感じ易い人であったドミニコは、しかし、この共苦共感によって決断の精神を奪われることはありませんでした。それどころか、彼の生涯の重大な決定は共苦共感から出ました。彼は、人々の苦しみに出会ったとき、前もって予測していなかった道をとるようにと内側から押されるのを感じました。飢えた人に食物を与える緊急さと同じ緊急さで、もうすっかり決まっているかに見えた道と違う道をとる必要に迫られました。
 兄弟を散らす決断以前に、彼の最初の大きな決断は、ラングドック(オック語の地方、すなわち南フランス)に留まることでした。当時、ドミニコはまだ彼の司教、オスマのディエゴに従属していました。ローマの教皇庁からの帰り、教皇がカタリ派に対して送った勅使と出会って手間取ったのは司教でした。彼らは二年間そこに留まりました。それからディエゴは、余りにも長く留守にした司教区に戻る決心をし、オスマの司教座参事会の副院長であった兄弟ドミニコをその場に残しました。そして彼にミッションを続けることを委託しました。

   司教は、兄弟ドミニコの権威のもとに留まる人々の霊的世話を彼に託しました。何故なら兄弟ドミニコは真に神の霊に満た   されていたからである。                                     ―――(ジョルダン・ド・サクス)

 兄弟ドミニコは司教のこの決定に対して少しも異議を唱えなかったばかりでなく、最後まで、この自分の国でない国、しかし、神の愛のために自分のものとした国に留まりました。決断の精神は、素直な従順と対になって働きました。
 決定したら、ドミニコはもう後戻りはしません。彼は自分の新しい役務に献身するために、全てを捨てました。決断の精神は、もし堅忍が伴わないなら何の価値もありません。ドミニコは決断力と同じ粘り強さを発揮します。彼は始めたことをし続けることを知っています。
 彼の精神のこういう態度は尋常のことではありませんでした。彼のそばにいた人々は次のように記しています。

彼は、神の前になすべきであると判断した事柄についてはゆらぐことがなく、熟考した審議ののち決定したことについて      は、決して、あるいはほとんど決して変更を承諾することはなかった。        ―――(ジョルダン・ド・サクス)

 普通の人間であったら頑固となるであろうこのようなことが、ドミニコにおいては高い徳として現れます。特にドミニコは兄弟たちの意思に従うことを知っていたので尚更のことです。決断の人であるドミニコは、兄弟たちにも決断する機会を与えることを欲しました。より困難な善を、共に決定するのです。ドミニコは、兄弟たちが決定するように、彼らに発言させました。
 先ず、この新しい会を設立する基になる戒律の選択に当たってそうでした。「全員で協議し、全会一致で」、これがドミニコの精神です。彼は決断の人であるだけではありません。彼はまた決定させることを知っていました。
 ドミニコは、自分に反対した兄弟たちの決定に従ったことさえありました。そしてそれは些細なことについてではありませんでした。



    兄弟たちがより精力的に勉学と説教に打ち込むことができるように、兄弟ドミニコは自分の会の学問のない助修道士が、物   質的な事柄に関する維持、管理については、学問のある兄弟たちに命令するようにしたいと思った。しかし司祭の兄弟たちは   司祭でない兄弟たちに支配されることを欲しなかった。  
                       ―――(ボローニャの列聖調査での兄弟ジャン・デスパーニュの証言)  

共同体の決定を受け入れながら、よい決断を下す技術、これはドミニコにおける真の霊的賜物でした。彼は非常に優れた賢慮の徳を持っていました。彼は自分がしなければならないことを内的に成熟させました。強烈な祈りの中で主に問い、聴きました。そして決断したらもう後戻りはしませんでした。
 聖ドミニコは真の決断の模範を示してくれます。豊かな想像力に恵まれていた彼は、神と福音への奉仕のためには実に勇敢でした。現実的であると同時に素直で、主の霊の導きに自分を委ねました。聖霊の助言の賜物は彼において最高の実を結びました。


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プロフィール

聖ドミニコ女子修道会

Author:聖ドミニコ女子修道会
長い歴史があるキリスト教カトリックの女子修道会です。日本では、学校や幼稚園、児童養護施設でキリスト教に基づく教育をしています。また、教会、病院、黙想の家、その他でも<みことば>を伝えています。

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