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[聖ドミニコの生涯]

「聖ドミニコの生涯」 勉学 3 シスター武田教子

さくら 2

 ついで彼は非常な熱意をもって、四年間神学と聖書を学んだ。これも自分が教授になるまでの勉強はしていないが、神学者の称号は得ている。この間、彼は夜もわずかしか眠らずに、昼間耳で受けた真理を夜間心に育んだといわれている。ドミニコは、非凡な記憶力に恵まれていたので覚えることは容易であったが、彼が神のことばを自分の中に保ったのは、単に記憶にとどめることによってではなかった。彼は、おこないによってもそれを保ったのである。
 当時の聖書の勉強法は、教父たちの聖書註解を学び、また、教授の原文分析を聞くのであった。時に教授は、問題点を質問の形で出し、学生たちに討論させた。ドミニコの知性は、こういうとき特に際だって輝いていたという。授業の終わりに、教授は、授業内容を短い説明文にまとめた。ドミニコはそれを自分のノートに書きとめて帰り、書写人に羊皮紙に書き写させた聖書の行間に丁寧に自分で書き込んだ。こうして、彼は、神のことばとその註解を書き込んだ宝を持っていたのである。
 その頃、ドミニコは自分の家に住んでいた。費用を出してくれていたのは彼の母かもしれないし叔父かもしれない。パレンシアに住みはじめた頃は誰か司祭のもとに居たかもしれないが、神学を学ぶ頃はもう自分の部屋、自分の本、自分の家具を持っていた。ここでは彼は自由で、思いのままに大好きな勉学に、眠るのも忘れて打ち込むことができた。また、自分に厳しく、カスチリア人なら旅行にも持ち歩く程好きな葡萄酒を断った。彼は、若者にしては「若年寄」で「おとなし」すぎたと記録はいう。
 たしかに彼はひとりで過ごす時が多かった。昔も今も、学生たちはグループを組み、馬鹿騒ぎをするものだが、ドミニコはそれには加わらなかった。しかし他者に対して自分を閉じていたのではない。ひとりで祈るとき、彼は祈りの中で他者と共にあった。それは、ある事件によってあきらかになることになる。
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聖ドミニコ女子修道会

Author:聖ドミニコ女子修道会
長い歴史があるキリスト教カトリックの女子修道会です。日本では、学校や幼稚園、児童養護施設でキリスト教に基づく教育をしています。また、教会、病院、黙想の家、その他でも<みことば>を伝えています。

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