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「聖ドミニコとはどんな方?」

「聖ドミニコとはどんな方」 9 『統治の人』 シスター武田教子

芙蓉1

 祈りの人、言葉の人であった聖ドミニコはまた、統治の人でした。彼は命令することを知っていました、従うことを知っていたからです。彼は決定することを知っていました、長い時間をかけて考えを熟させることを知っていたからです。地味に堅忍することを知っていた彼は組織立てることを知っていました。
 従順について言えば、聖ドミニコは先ず若い頃、司教に従っていたときこれを実行しました。彼は司教が道を変え、供の者を帰してラングドックに留まるという意外な決定をしたとき、司教の決定を受け入れました。彼は出来事に対しても従順でした。出来事の導きに身を委ね、そこに神のご意志の表現を見いだしました。円熟した年齢になったとき、彼は兄弟たちに従い、彼らに拒否されたとき、それに服従しました。

       兄弟たちがもっとエネルギィーを結集して勉学と説教に当たるように、兄弟ドミニコは、財産管理においては、勉学をし       ない助修道士兄弟が、学のある兄弟たちに命令することを欲した。しかし、司祭の兄弟たちは先に試みた他の会と同        じ失敗を繰り返したくないと言って、このことは受け入れなかった。
                                                  ――― (兄弟ジャン・デスパーニュの証言)

 従順は、聖ドミニコを内的な人間にしました。彼は、神との関わりにおいても、人々と関わる愛の行動においても、自分自身の欲求は完全に放棄していました。彼は出世することもなく、個人的な成功も考えませんでした。しかし、この霊的状態は、必要なときは命令を下すことを知る統治の人となることを妨げるものではありませんでした。初代の兄弟たちは、1217年8月15日、会が教皇の認証を受けたばかりのときに、ドミニコが兄弟たちを散らした大胆な決定を、感動と共に記憶しています。兄弟たちの中からのみならず、友人、後援者の中からも反対の声があがりました。しかしドミニコは決心を変えませんでした。

私が兄弟ドミニコといっしょにトゥ―ルーズのサン・ロマン教会の修道院にいたとき、兄弟ドミニコは私自身の意に反して、五人の司祭兄弟と一人の助修道士兄弟と共に、勉強し、説教し、また修道院を設立するためにパリに派遣しました。ドミニコは、すべては成功するであろうから恐れないようにと言いました。からは「反対しないでください。私は自分がすることを良く知っています」と言っていました。                                          ―――(兄弟ジャン・デスパーニュの証言)


 ドミニコは、命令するという、創立者のカリスマを持つ人として行動します。もし彼がこのインスピレーション、未来に対するこの予言的ビジョンを持たなかったら、彼の会は存続しなかったでしょう。彼が単なる福音の説教者ではなく、説教に献身する会の創立者となって以来、ドミニコの生涯を区切る重要な決定で心打たれることは、彼が決して自分のことを考えて行動するのではなく、常に、設定さえた目的のため、あるいは共通善のためであるということです。彼は決定の陰に隠れてしまいます。彼は気まぐれや激情から行動するのではありません。彼の決定は彼を超えたものです。彼は、彼を超越した意思が、会が行くべき方向に導いて口述されるかのように行動します。

 ドミニコは、彼の後継者が効果的に法律を制定することができるよう、組織体としての会に十分に明確で緻密な基礎を据えるために、彼の生涯の最後の数年を捧げました。総会議全体の上に権威を持って規則を定め、定義し、命令を下す裁定者団の制度は、今日まで受け継がれています。また、ひとつの規則は三度の総会議が引き続き賛成しなければ決定的に制定され、あるいは廃止されないという賢明な決定も聖ドミニコによるものです。

 構成員を変えた総会議を交互に行うということも、会独自のものです。統治の人である管区長総会議と、統治の責任を持たない修道者である「裁定者」の総会議です。これによって、統治する人の必要も、統治される人の必要も尊重されます。兄弟たちは誰でも統治する立場になったり、統治される立場になったりすることを知っているので、決定は大変賢明なものになります。

 彼はよい法の重要性を知っていました。しかし、その限界も知っていました。

     初期の兄弟たちが話してくれたことを、私はよく覚えています。会は規則として書かれる前から、会憲の義務は罪を負わせ    るものではないと理解していました。ですから、幸いなるドミニコはボローニャの総会議において、小心な兄弟たちを安心さ     せるために、規則通り行わないことは必ずしも罪とはならないと宣言しました。もし、それにもかかわらず、ある人々が規則     通り実行しないことは罪であると思うなら、小刀を持って修道院から修道院へと周り、規則を削って歩くと決心していらっしゃ    いました。 ドミニコがこう言うのを直接聞いた兄弟たちが私に話してくれました。
                                                            ―――(ウンベール・ド・ロマン)

 統治の人であるためには、法をよく知り、またよく実行しなければなりません。法は個人とグループの自由の守り手だからです。しかしまた、人々がそれぞれの最良のものを発揮するように導くことを知らなければなりません。聖ドミニコはこれらの資質をすべて備えていらっしゃいました。彼は、その組織が堅固であることを世紀を通じて示してきた会の創立者となりました。そして彼は最初から、尊敬に満ちた愛、ときには畏敬の念を込めた愛で愛されてきたのです。
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聖ドミニコ女子修道会

Author:聖ドミニコ女子修道会
長い歴史があるキリスト教カトリックの女子修道会です。日本では、学校や幼稚園、児童養護施設でキリスト教に基づく教育をしています。また、教会、病院、黙想の家、その他でも<みことば>を伝えています。

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