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「聖ドミニコとはどんな方」

「聖ドミニコとはどんな方」 17 シスター武田教子

dominiko 


 聖ドミニコの生涯にはドラマティックな回心もなく、真面目であまり面白くないと言われます。まことに聖ドミニコのドラマは彼個人のものではなく、教会のドラマと一体になっています。「フランシスコは逸話を残した。ドミニコは会を残した。」と言われているように、フランシスコは映画にもなり、今日でも多くの人を惹きつけていますが、ドミニコについては本も少なく、あまり知られていません。
「会を残した」とはどういう意味でしょうか? ドミニコは当時誰も考えていなかった、あるいは考えても実現できなかった、観想の中での神探求と、地の果てまでも行脚する福音宣教を結び合わせ、自分の中に燃えた炎を、彼に続いた会員たちに受け継がせました。神の言葉をどんな時代にも、どんな場所にも宣べ伝えるという目的を達成するため、この会の規則は基本的に信頼に基づき、全体として、あるいは部分的に、最終的には個々に、適応を可能とする規則で、聖ドミニコの発想がそのまま、現在も生きています。

彼は「ドミニコ会員」という名を彼に続く人々に残しましたが、この名は、言葉のあやで、ドミニコへの帰属と同時に主(イエス・キリスト)への帰属を意味します。当時ヨーロッパで、そして今でも教会の中で使われているラテン語で、ドミニコに帰属する者であることを意味する「ドミニカーネ」は「主の犬」とも訳することができます。松明(たいまつ)をくわえて世界中に福音の火を放つ犬であり、誤謬から人々を守る主の番犬です。聖ドミニコ学園の聖堂のステンドグラスには、ドミニコの母ホアナがドミニコを懐胎していたとき、胎内から松明をくわえた犬が飛び出し、世界中を走り回る夢を見たという言い伝えを表現した場面があります。また、数年前に訪れたボローニャのドミニコ会修道院の一室、異端審問に使われたという部屋には、木の下に一匹の白い可愛らしい犬が、右を走って行く兎を追いかけず、左から睨むライオンにも逃げずに、じっと座って足元の羊を守っている場面の絵がかけられていました。

 聖ドミニコは創立者であるばかりでなく、子沢山の族長と言えるでしょう。多くの息子・娘たちがまた創立者となって家族をつくり、それぞれの家族も増えました。

 最初に異端から正統信仰に立ち戻った婦人たちのグループが聖ドミニコの指導のもとに修道者として養成され、プルイユ(フランス)の隠棲修道院となりました。この修道院は数年前に八百年祭を祝いましたが、世界中に分封しています。日本には、現在、この流れに属する隠棲修道院が盛岡、瀬戸、磐梯町の三箇所にあります。彼女たちは祈りで福音宣教を助け、また、兄弟姉妹たちに憩いと観想の場を提供しています。

 次に説教行脚の兄弟たちのグループが、まずはトゥールーズ(フランス)教区の説教団として設立され、翌1216年には全世界に向けた説教者兄弟会として認証されました。修道者は囲いの中で修道生活を営むという、それまでの常識を覆す出来事でした。当然、はじめから皆に快く受け入れられたわけではありません。しかし、ドミニコの死後13年を経た1234年、ドミニコが教皇庁列聖省の審議を経て聖人として宣言されたときは、托鉢し説教行脚をする、この新しい使徒的修道会の存在は、教会の中で確固としたゆるぎないものになっていました。説教者兄弟会は2016年の八百年を意義あるものにしようと、特にこの十年間、毎年テーマを定めて準備しています。

 プルイユの隠棲修道院に隣接して、はじめから、ドミニコと共に働く兄弟たちや、家族ぐるみ、財産ぐるみで説教者たちの仕事を助けようとする人、あるいは、不安定な世情の中で少しでも安定を求めようとする人たちが住みつきました。時代とともに、このような人々が、形を変えながらドミニコを中心としたグループを形成していきました。この学園の母体となった聖ドミニコ女子修道会は、プルイユの隠棲修道院から譲り受けた規則に従いながら、修道院の囲いから出て活動を始めた使徒職会の一つです。聖ドミニコ学園共々、ドミニコ家族の一員です。

 現在聖ドミニコの家族は、説教者兄弟たち、隠棲生活を営む修道女たち、使徒職生活の修道女たち、それに在野のドミニコ会員たちがいます。特に宗教活動が自由でない国においては、この在野の会員たちの活躍が盛んです。日本でも、迫害下に勇敢に宣教師たちを助け、陸路または海路、隠れ家から隠れ家への移動に命がけで協力した人々の中には、多くのドミニコ会ロザリオの組員がいます。迫害時代の殉教者の中に、司祭、修道者の傍らに多くのロザリオの組員の名が認められます。現在も「ロザリオ会」の名で呼ばれるグループが人数的には圧倒的に多いのではないでしょうか? このグループは司祭も修道者も在野の信徒も網羅します。他にもドミニコ家族の中には「若者の会」、「ボランティアの会」などが、同じ家族の会を形成し、説教者兄弟会総長のもとに同じ精神で同じ目的を追求し、集まっています。

 毎年十一月七日、説教者兄弟会の先達たちを記念する祝日に、説教者会第二代目総長のジョルダン・ド・サクスが会員に宛てた手紙が朗読されてきました。この手紙をもって、17回に亙った考察を終わります。

 キリストにおいて親愛なる息子たちよ!・・・ご自分の死によって、ご自分の血であなた方を贖い、いのちを与えってくださったお方に切に願いながら、力の限りあなた方に願い、警告します。あなた方の誓願、生涯の計画を忘れないでください。あなた方に先だった人々のことを思い起こしてください・・・ その中でも特に偉大な方がいらっしゃいます。私たちと一緒に体を持って生きていらっしったときから、彼は霊に従っていきていらっしゃいました。肉の望みを果たすのではなく、それを消しました。食物、衣服、生き方すべてにおいて、彼は正真正銘の清貧を生きました。常に祈り、特に苦しむ人と共に苦しみ、子どもたちのために泣きました。すなわち人々の魂の救いの熱意に燃えていました。彼は困難の前に尻込みすることなく、妨害にたいしても平静に取り組みました。
 地上に私たちと共にありながら、彼がどのような器になっていったかは、彼の業がはっきりとこれを現し、彼の徳と奇跡が証明しています・・・
 ドミニコにおいて、私たちの救い主、神の子イエス・キリストを賛美しましょう。キリストはこのような僕を選び、私たちの頭に、父として置いてくださいました。こうして修道生活のなかで私たちの人格を形成し、彼のまばゆいばかりの聖性の模範によって燃え立たせてくださいました。

芙蓉17

 今回をもって、「聖ドミニコとはどんな方?」を終了いたします。長い間ご愛読くださいましてありがとうございました。
次回からも聖ドミニコに関する何か?をお届けいたします。
猛暑の日が続いております。ご自愛の上お過ごしください。
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聖ドミニコ女子修道会

Author:聖ドミニコ女子修道会
長い歴史があるキリスト教カトリックの女子修道会です。日本では、学校や幼稚園、児童養護施設でキリスト教に基づく教育をしています。また、教会、病院、黙想の家、その他でも<みことば>を伝えています。

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